由来

 
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淡水

淡水,旧称「滬尾」(フウェ)は400年の歴史を持つ町で、台湾北部で最も早く開発された港である。地名は、淡水川のすぐ近くあるからと名付けられた。中国清の時代(1616年〜1912年)から、「滬尾」(フウェ)は淡水川の河口に位置するため、台湾北部にて船舶が行き来する重要な貿易港にもなり、淡水地区の栄えと発展をもたらした。

今日の淡水では、貿易港の栄光は失われたが、町中に軒並ぶ洋式、福建式、和式などの、擬古建物は、まるで町の遠い昔を物語っているかのようだ。

ゆらりと歩くと、淡水旧街道とその周りの古道、例えば、中正路,真理街、重建街、三民街などをゆっくり歩くと、その風物詩や各時代の建築様式の特色を堪能できるのでお勧め。

メトロ又は、バスで淡水を往復する際、或は、水中バスで、淡水、八里、大稲埕(台北萬華の旧称)を往復する際には、淡水川の風景が満喫できる。

 淡水旧街道というと、中正路辺り(埠頭と、中山路に挟まれた地域)とその周囲の三民街や重建街も含まれる。旧街道には、一部古屋敷が残り、軒並ぶ古美術屋さんも加わって、昔の風情がより一層引き出されている。この辺りを歩くと、細工の石彫刻や木彫り工芸品が見学できるだけでなく、伝統グルメを味わいながら一休みできるのでお勧め。

百葉の由来

なぜ、温州餛飩(ワンタン)と呼ばれ、蘇州餛飩や北京餛飩、上海餛飩とは呼ばないのか?

20世紀の始め、時は、中国清朝の末頃、功勲ある内大臣、例えば、清皇帝御膳を調理する料理人たちが、定年退職後、江南地区から蘇州、杭州、温州等に移り住み、残りの人生を送る生計を立てるために、以前宮廷にてもっとも作り慣れている手料理を販売し始め、一般庶民でも皇帝御膳を口にできるようになったことから、これらの料理人が有名になった。

百葉温州餛飩は、1976年に創業し、「百葉」という店名は、初代女将(葉奶奶)の好む浙江料理の一つから名付けた。初代女将(葉奶奶)は、温州出身で、温州地方料理を大変よく知り尽くし、その極意を自ら伝承し、その後も、息子とその嫁(現在、二代目ご主人と女将﹣葉爸爸﹠葉媽媽)に伝授した。

1980年代、淡水地域道路拡大計画が実施され、工事に伴って、店舗の前半分が取り壊されるも、現地で開店し続けている。現在の敷地面積は、創業当初の半分に及ばないが、三代目主人の懸命の大改造の末、店内は殆ど昔のままとなったが、外観は昔の面影を残すことができなかった。 

百葉温州餛飩は、2006年、好鄰居文教基金會(台湾の財団法人)主催の「老街大翻新」(下町大改造計画)のオーディションに入選し、その財団法人が招いた各領域の専門家の経営コンサルタントを受け、店のリフォーム計画に一部資金援助も受けたため、新しく生まれ変わった。

真心でもてなす百葉

二代目主人が店を継いだ後、温州料理が根付くことに尽力し、より多くの市民が清皇帝御膳を口にできるようにするため、次々と中国古来滋養の甘味、例えば、金木犀風味梅ジュース、金木犀入り胡麻餡団子汁など作り出した。それらの料理は主人が自ら、すべて材料の組み合わせ、製作、調理をするため、食感と品質管理が一貫したコントロールができて、お客様により質の良いものを提供することができる。

二代目の主人と女将は30年間、毎朝6時から仕込み始め、豚肉をミンチにし、伝統に従ってもち米からの団子作り、ラーメン作り、調理など、すべて自分たちでこなす。「手抜きすることなく、本格派にこだわる事と、専属料理人の厨房を仕切る伝統を保つ事が食感と品質を保証できる唯一の方法。」と二代目夫婦は思っている。このような経営理念の下、百葉温州餛飩は、町中の人から美味しいと評判である。更に二人は、この小さな店で生計を起てながら、三人の子供(三代目)を育て、その娘たちは海外留学し、音楽を学び、そして結婚して海外に居住し、現在子(四代目)育てで忙しい日々を送っている。

二代目夫婦にとって、この店があったからこそ、子宝に惠られる事はもちろん、お客様にヘルシー且つ安心で口にできる料理を差し出せる事こそ、最大の幸せ。

 

厳選食材のみを使用

伝統を守りながら真心を込めて手作り

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エピソード

約12年前、ベトナム人夫婦の張さんが奥さんの妊娠中、淡水へ散策に来た。つわりが酷く、何を口にしてもすぐ吐き出していた奥さんは、町中に飲食店は幾つかあれど、どれも食べることができなかった。 

行列のできる店の前を通り過ぎた時、メニューの見本写真を見ると、もしやあっさりとした料理は奥さんに良いかもと思い、試しにワンタンスープ一杯を注文した。結果、張さんが驚いたことに、奥さんがつわりで吐き出すことなく食べることができた。二代目女将のワンタンスープは奥さんの妊娠中、唯一の栄養源となった。数年後、張さんは奥さんと2人の息子を連れ、また店に訪れた。二代目女将さんに、「お母さん、私の事覚えていますか」と声をかけた。昔の話をして、息子達に女将を「お婆ちゃん」と呼ばせた。まるで、自分の孫二人が実家へ遊びに来るように、女将はとても喜んだ。 

もう一つの話は、二代目主人が癌の化学治療を受けたときの事。化学治療の期間、最も元気付けが必要にも関わらず、病院食が口に合わなかった主人は、食欲が殆どなく、食事もろくにできなかった。治療後のある日、主人は自家製の食べやすく満足感十分のワンタンスープが無性に恋しくなり、女将に出前を頼んだ。他の患者さんは美味しく食べている主人を見て、ワンタンの出所を訊ねると、ついでに女将に注文し始めた。女将は、化学治療を受ける方の食事制限に対する悩みをよく理解し、店へ来られないその方々がいつでも召し上がれるよう、自らタクシーでワンタンスープの出前に応じた。 

たくさんの温かい、または面白いエピソードがもうすぐ40年になるこの古い飲食店に起こる。二代目主人と女将は《フェイスブックファンクラブ:百葉温州餛飩》を通して、もっとたくさんの感動や笑いを分かち合う予定。 

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